スマートニュースの広告ユーザーはなぜリピート率が高い? カギは「詳細理解」と「態度変容力」(第2回/全3回)
日米合算MAUが2,000万人以上を突破したSmartNews(2019年8月末時点)。広告媒体としてはどのような特長をもっているか、スマートニュースの植木、磯貝が、ビデオリサーチでメディア・エンゲージメントの研究を行う吉田氏と議論するなかで「認知→詳細理解」にスムーズに移行できるSmartNewsの強みと、メディアプランニングでその特性を活かすポイントが明らかになりました。
今回はMarkezineでも掲載した上記対談を3回に分けてさらに深掘りしていきます。第2回は「詳細理解」に注目して、主要アプリの広告を比較していきます。
「詳細理解」に注目して、主要アプリの広告を比べてみると?
植木:第1回では、購買ファネルにおける大きな壁は「詳細理解」にあることがわかりました。私たちSmartNewsもそのような価値を提供したいと思っています。
磯貝:SmartNewsは「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」というミッションのもとで誕生したニュースアプリです。広告も「良質な情報の1つ」としてお届けしていますので、「詳細理解」には強そうなイメージはありますが、データから見えることはありますか?
吉田:データをみると、SmartNewsは実際に「詳細理解」に強みのある媒体と言えそうです。私の研究テーマであるメディア・エンゲージメントをさらに細分化し、メディアではなく、主要アプリサービスのエンゲージメントとして比較したのがこのデータです。
主要アプリサービスの比較:エンゲージメント
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吉田:メディア・エンゲージメント項目の中で、いわゆる「ブランド認知」に該当する項目を主要アプリで比較してみました。同じデジタル広告を出稿した場合でも、アプリによって認知面の効果は異なることが示されています。
植木:SmartNewsはインパクトも強いですが、他媒体と比較すると「商品情報を詳しく知る」や「品質や性能を詳しく知る」のに非常に適していることが読み取れますね。またしっかりと詳細理解まで獲得できるから、商品サービスへも興味を持たせやすいという特徴も、データで示されています。
磯貝:先述の購買ファネルのデータでは、「詳細理解」まで獲得できれば「購入意向」は獲得しやすいことが見えていました。だから「検索」や「購買」への態度変容のスコアも高いのですね。
主要アプリサービスの比較:態度の変化
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植木:冒頭で、広告主から「リピート率の高さ」を褒められた話をしましたが、SmartNewsのユーザーは商品やサービスを詳細まで理解してから購入しているので、リピートしやすいと言えそうですね。
吉田:リピートに関しては、厳密には時系列的視点が必要ですが、ACR/exの利用者における購入意向の結果から解釈はできると思います。特定広告主A社を例に、ヘアケア商品、スキンケア/メイクアップ化粧品のデータを以下に提示しますが、リピートが期待できるという傾向が明確に見えています。
主要アプリサービスの比較:リピート意向
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ストレスが少ない広告環境も強み
吉田:よく「認知」や「ミッドファネル」などファネル上の一部分にフォーカスしてメディア特性を考えるのですが、これまでのお話から、SmartNewsは「認知」から「詳細理解」までをシームレスに獲得できる点が非常に特異だと思います。
植木:ユーザーがストレスなく自然に詳細理解したくなる状況を作り出している。これはブランド体験全体を設計する上でも、非常に重要なことですね。
吉田:そうですね、ストレスはデジタル広告の課題と言われていますが、こちらのデータをみると、SmartNewsは広告に対するストレスが非常に低いんです。
主要アプリサービスの比較:広告に対するストレス
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吉田:植木さんのおっしゃる通り、コンテンツでブランド体験全体に自然に投入させる仕掛けが功を奏しているのでしょう。
また、SmartNewsのユーザーは「最新の情報はいち早く入手したい」傾向が非常に高いです。このような「情報摂取モード」も要因の一つだと考えられますね。
植木:SmartNewsでは、3,000以上の媒体から提供を受けて、信頼性の高いPGC(Professional Generated Contents)だけを配信しています。広告もその中に「良質な情報の一つ」として配信しているので、詳細まで読まれやすいのでしょう。
主要アプリサービスの比較:「情報入手意向」
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磯貝:UIやUXの設計も含めて、非常にストレスが少ない広告環境と言えますね。ストレスなく広告を受容されて、「認知」から「詳細理解」を獲得できる点はブランド体験として最高です。また、購買ファネルを進める際に離脱が少ないという意味では、ROIの観点でも有利ですね。
吉田:ユーザーさんがSmartNewsを活用する目的と言いますか、理由がしっかりしている印象を受けました。そのメディア・コンテンツにどのようなオーディエンスが集まっていて、かつロイヤルティが高いという点は広告の態度変容上、今後重要な条件になるように感じています。ユーザーさんの「情報入手」という目的に加え、ユーザーファーストなコンテンツへの配慮が結果ユーザーさんとの絆を強めて、ストレスが少ない広告環境を構築しているのかもしれません。
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第2回はここまで。この続きは次回「リーチや想起率に終始しない、広告効果の可視化方法をご紹介」でご覧ください。
※第1回「スマートニュースの広告ユーザーはなぜリピート率が高い? カギは『詳細理解』と『態度変容力』」はこちらでご覧いただけます。
注)写真撮影:関口 達朗