コロナ禍での生活者の意識変化〜ビューティー領域〜(第2回)
前回の記事はSmartNewsのデータをもとに、コロナ禍でビューティー領域の記事閲覧傾向にどのような変化が起きたのかを分析しました。
今回は引き続きビューティー領域で、性年代別の関心の違いに注目していきたいと思います。前回同様にスマートニュースで化粧品業界を担当する営業の山本 夏菜と、ユーザーインサイトを分析し広告主や代理店とのコンサルティングを担当しているIndustry Analystの河村 麻里子より、営業現場の定性的な視点をまじえてお伝えさせて頂きます。
河村:
最近では男性もビューティー領域への関心が高まっていると聞きます。実際にSmartNewsでの記事閲覧傾向においても、ビューティー領域の記事を閲覧した男性比率が昨年は約10%だったのが2021年は約15%と増加しています。
今回は性別や年代ごとに関心の向くテーマに違いがあるか見ていきたいと思います。まずご覧いただきたいのは、性年代ごとのビューティーカテゴリー閲覧記事における、PV上位記事タイトルに含まれる頻出ワードランキングです。まずは女性のデータです。
河村:
年代別の関心事に違いが出ますね。女性の10-20代は「コスメ」「アイテム」等のメイク中心で「マスク」などトレンドアイテムも入っています。30-40代になると「ヘア」の順位が上昇し、「ダイエット」が入り始め、「大人」といった年齢対策のワードも出てきます。50-60代では「ヘア」「ダイエット」関連がさらに上位にきていますね。「簡単」というワードも30-40代から急上昇しています。
山本:
ダイエットに関心が高いのは10-20代の若年層が中心だと思っていたので、50-60代の方が順位が高いのは意外ですね。ヘアも年齢を重ねるにつれ関心が高まる傾向がありますね。
河村:
年齢を重ねるごとにショートカットへの関心が高まるというのはこちらの記事でも分析していましたね。また、10-20代はメイク中心に評判のアイテムを楽しんでいる様子がうかがえますが、年齢が高まるにつれアイテムへの関心がやや薄れ、手軽さ求める傾向が出てきています。ショートカットもそうですが、30-40代が一つの変わり目になっていそうですね。
山本:
30-40代はライフスタイルも変わりやすい年代ですよね。メイクにおいても子育て中で自分にかける時間がなくなり時短を重視するケースもあるでしょうし、10-20代での経験から自分に合ったアイテムがわかってきて関心が集約されるケースもあると思います。新しい生活習慣の中でメイクを意識し直し、ヘアスタイルやボディなど含めたトータルケアを変えていこうという意識が出ていそうですね。
河村:
次に男性の傾向をみていきましょう。いずれの年代も「ボディ」への関心が高いですね。さらに「メイク」も若年層ほど上位にランクインしており、10-20代はさらに「美容」といったワードも入っているのは特徴的です。男性のメイク/美容関心は女性アイドルの変身メイク等の話題が中心ですが、10-20代ではメンズメイクやメンズ美容の記事も一部入ってきています。
さらに30-40代は「筋トレ」「トレーニング」などの鍛えるワードが入っていますが、50-60代ではそれらのワードが消え、代わりに「ストレッチ」「下半身」などのワードが入ってきています。女性と同様に、年齢が高まるにつれて手軽さに惹かれ、「簡単」「効果」が上位に上がるのも特徴的です。
山本:
若年層中心にメンズメイクへの関心も徐々に高まっていそうですね。30-40代と50-60代のボディへの向き合い方の違いも面白いです。30-40代の男性ではトレーニング中心のストイックさを感じますが、50-60代ではもうちょっと無理のない範囲でゆるく、ゴルフなどの目的に合ったボディメイクをしたいのでしょうかね。定性的な話になりますが、私自身の周囲のトレーニング好きの男性の傾向とも合っている気がします。
河村:
ここまで、4回に渡ってSmartNewsのデータについてお伝えしてきました。SmartNewsではお客様の課題に合わせ、このような閲読データから見えるインサイト分析も活用したソリューションのご提案をさせて頂いております。ぜひご相談いただければと思います。