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コロナ禍での生活者の意識変化〜ビューティー領域〜(第1回)

前回の記事では、実際にSmartNewsのデータを活用しながら新型コロナウィルス感染拡大初期と一年後の比較で、生活者の意識変化を分析しました。

今回は引き続きSmartNewsのデータを元に、特にビューティー領域でどんな変化が起きたかを、Industry Analystの河村 麻里子(かわむら まりこ)がスマートニュースで化粧品業界を担当する営業の山本 夏菜(やまもと なつな)と共に、営業現場の定性的な視点をまじえてお伝えさせて頂きます。

河村:
 前回までSmartNewsのデータから見えるコロナ変化を見てきました。今回はさらにデータ領域を特化し、ビューティーカテゴリにおける関心変化を見ていきたいと思います。
 まずは早速データを見てみましょう。昨年のビューティーカテゴリにおける、ジャンル別の記事PV推移です。

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ビューティーカテゴリ記事のジャンル別PV推移(2020年)

河村:
 ビューティーといってもいろんなテーマがある中で「コスメ系記事」がよく読まれ、関心が最も高いことがわかります。しかし、如実にコロナの影響を受けていますね。

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スマートニュース株式会社 Ad Business Industry Analyst 河村 麻里子

山本:
 コロナ禍で人に会う機会が減り在宅勤務などが増え、メイクをする機会が大きく減りましたよね。やはりその影響が表れているのだと思います。

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コスメ系記事のPV前年度比較(2019年と2020年)

河村:
 一方「コスメ系記事」のPVを前年と比較すると、2019年は振れ幅あるものの1年を通じてほぼ一定の動きですが、2020年はコロナの影響で3〜5月にかけて急降下した後、9月中旬頃から上がっていますね。コロナ禍でのメイク離れも回復してきたのでしょうか。

山本:
 ちょうど2020年の10月1日から東京でもGo Toトラベルが開始し世の中のムードが少し変わった時期と重なりますね。9月中旬頃から上昇傾向ということは外出できるかもと期待感を膨らませる中で「そろそろメイクしなきゃ!」と前倒しで情報を集める生活者の気持ちが表れているのかも知れません。

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スマートニュース株式会社 Ad Business Account Executive 山本 夏菜

河村:
 SmartNewsのデータは実際の行動が起きる前に潜在的な関心として動くのが特徴
ですね。前回の記事でマスク前提での美容意識がうまれ、マスクは健康文脈だけでなく、ビューティーの文脈でも興味を持たれるワードになったという話に触れましたが、マスクとともに語られるワードにも変化が出ています。コロナ初期は「崩れにくい」「落ちにくい」など崩れ対策のワード中心だったのが、現在は「アイメイク」「コスメ」「リップ」などアイテムのワードが増えています。

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「マスク」を含む記事タイトル中の頻出ワード(ビューティーカテゴリ内)

山本:
 やはりコロナウィルス感染拡大初期はマスクは「仕方なく」つけるものだったと思うんです。なので最低限のメイク崩れを気にする程度。でも今は違います。マスクの種類もすごく増えて選択肢が広がったので、自分のスキンカラーやアイメイクに合わせて「コーデ」できるようになりました。
 マスクが衛生用品であることは当然ですが、日常アイテムとなって選択の幅が広がった今、コーデ全体の中でマスクを考えたり、またマスクをする前提で目や肌がどう可愛く垢抜けるか考える、という新しいエネルギーが生まれたんだと思います。マスクの意味が変わってきているんです。

河村:
 スキンケアやアイメイクだけでなく、マスクで隠れるはずの「リップ」のワードもでているのは意外ですね。

山本:
 マスクにつかないリップなども話題になっていて、各社がコロナ禍だからこそ楽しめるコスメの提案に力を入れているのも感じます。

河村:
 生活者も臨機応変に状況を受け入れながらメイクを楽しんでいるんですね。コロナが収束したら今まで以上にコスメニーズが加速しそうです。

次回はさらにビューティー領域における性年代別の関心の違いを見てみたいと思います。

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